
今、アメリカのテキサス州オースティンという都市は、全米でも注目されているエリアのひとつです。
全米から所得もリテラシー(知識を活用する能力)も高い層が集まるこのエリアは、食や健康への意識も非常に高い。
人気エリアのレストランに入ると、ヴィーガンメニューやグルテンフリーの選択肢があるのは当然です。
アメリカは自己責任の国。「ちょっとした風邪でも病院に行けば10万円近くかかる」という医療費の高さが、日常の食への意識を否応なく高めているそうです。
実はテキサスのオースティンに、ホールフーズ発祥の地・本店があるのです。
日本にも高品質なスーパーはたくさんありますが、ホールフーズが決定的に違うのは、そのフィルタリング(特定の条件に合うもの以外除外する仕組み)の徹底ぶりです。
人工着色料・人工甘味料(アスパルテームなど)・保存料・ブドウ糖果糖液糖・トランス脂肪酸…300種類以上の不自然な原材料を全館で禁止しており、こうした成分を含む商品は、そもそも売り場に並ぶことができず、消費者の立場からすると、これが本当にありがたい。
「裏の成分表示をいちいち確認しなくていい」という安心感は、想像以上に大きい。
さらにホールフーズは、全米初の「認定オーガニック・グルーサー(店舗自体がオーガニック認証を受けたスーパー)」でもあります。
バックヤードから陳列棚に至るまで、一般の野菜とオーガニック野菜が混ざらないよう厳格に管理されているそうです。
オーガニック野菜のコーナーは、形が不揃いだったり、土がついていたりするものがたくさんあります。
日本だと「見た目が悪い」と手が伸びにくいこともありますが、こちらでは逆。
「農薬を使わず、豊かな土壌で育った証拠」として、きちんと理解され、受け入れられているのです。
この感覚の違い、考えさせられます。
アメリカでは今、農業を「サイエンス」として捉え直す動きが加速しています。
注目されているのが「リジェネラティブ農業(環境再生型農業)」化学肥料に頼るのではなく、土壌の
微生物(マイクロバイオーム)を豊かにすることに投資するというアプローチです。
微生物が豊かな土で育つと、植物は虫や病気から身を守るために「ファイトケミカル」という成分を自ら大量に作り出します。
これが人間の体に入ると強力な抗酸化作用を発揮するだけでなく、あの「深いコク」や「野生的な旨味」につながっているそうです。(これが八〇屋が取り入れているエルガー農法のお米と同じ考え) また、ホールフーズには「Sourced for Good」という独自の認証マークがあります。
環境への配慮だけでなく、「農場で働く人に公正な賃金が支払われているか」まで監査されたもの。
オーガニックを選ぶことが、自分の健康だけでなく、地球環境や農業に関わる人々への支援にもなる。
そういう価値観が、知識層にしっかりと届いています。
農家が社会的に大切にされている、という感覚も、日本とは少し違うようです。
日本は医療制度が充実している分、「病気になったら病院に行けばいい」という環境で、それ自体は恵まれたことですが、一方で「自分の健康は自分で守る」という主体性は、少し薄れがちかもしれません。
食べるものを選ぶことは、毎日の小さな積み重ねだということ。
特別なことをしなくても、日々の食事や生活習慣を少しずつ見直すだけで、10年後、20年後のカラダは大きく変わってくると思います。