
鈴木晴恵院長 鈴木形成外科小児科
「牛乳は完全栄養食品」「カルシウムが豊富で骨を強くする」「成長期の子どもには欠かせない」
牛乳について、こういうイメージを多くの方がお持ちですが、実は、世界の最先端栄養学では
まったく異なる事実が明らかになっていることをあなたはご存知でしょうか?
カルシウムの逆効果
「牛乳を飲むとカルシウムが減る」こう聞いたら、 あなたは信じられるでしょうか。
多量のカルシウムが消化管から血液中に吸収されると、過剰なカルシウムは血管壁に
沈着し、動脈硬化を引き起こします。
また余剰カルシウムは尿中に排泄されるため、尿路結石の原因にもなります。
さらに深刻なのは、牛乳に豊富に含まれる動物性タンパク質は人の体液を酸性にします。
これを中和するために 塩基性の炭酸カルシウムが必要となり、その結果、
骨や歯からカルシウムが引き出されるのです。
つまり、 牛乳を飲むほど骨に貯蔵されているカルシウムが消費される。
牛乳のカルシウムは、 骨粗鬆症の予防にも子どもの丈夫なカラダを作る
ためにも役に立たないのです。
このことは、 牛乳を多く消費する国の人たちがその消費量に比例して
骨粗鬆症が多いことが裏付けています。
現代の畜産が生む問題(ホルモン・残留農薬と抗生剤)
効率よく搾乳するため、多くの乳牛はホルモン剤により強制的に
妊娠状態にさせられます。
牛乳を飲むと牛の女性ホルモンを一緒に取り込むことになり子供の
早熟となります。
手頃な値段で安定して大量に牛乳を作るとき、多くは
農薬を使った飼料や遺伝子組み換えの飼料が使われます。
しかし、家畜の飼料についてはこれらの表示義務はありません。
残留農薬は体に蓄積されると新生児の先天性異常や発がんの
リスク要因となります。
また、劣悪な環境で育つ乳牛は免疫力が落ち病気になりやすいので、
それらを予防するために抗生剤が投与されます。
そもそも、牛乳は誰のため?
牛乳は栄養素が豊富に含まれる優れた飲み物です。
しかし、あくまで牛の赤ちゃんにとってということ。
人間やペット以外に 「他の種の乳」を「大人になっても」摂取し続ける
生き物が他にあるでしょうか?
牛乳は牛を牛のペースで成長させるために、精密に設計されたものです。
種の違う私たちが飲むことは極めて不自然なのです。
世界は変わり始めている
日本では1954年に制定された『学校給食法』で 牛乳の提供が
義務化され、以降70年以上も改定されることなく現在に至っています。
しかし、世界の流れは 大きく変わり始めています。
ソーセージなど肉のイメージが強いドイツでは2023年に
食事ガイドラインが大幅見直しされ、「肉類の過剰摂取が 心血管疾患や
大腸がんリスクを高める」として、摂取量を週300g以下に抑えるよう勧告。
カナダでは2019年に 食品ガイドラインから乳製品や肉類のカテゴリー
が削除され、タンパク質を主に植物性のものから取ることを推奨しています。
もちろん、これらの情報はすべての方に当てはまるわけではありません。
しかし、 「牛乳=栄養食品」という固定観念を一度見直してみることは、
あなたやご家族の健康にとって大きな意味があるかもしれません。